CIPAが毎月、カメラの統計を出しているので定点観測してみようと思います。
CIPAとは
CIPAの正式名称は一般社団法人カメラ映像機器工業会。
カメラ映像機器工業会(Camera & Imaging Products Association 略称:CIPA)は、デジタルカメラをはじめとする 映像関連機器の開発、製造・販売に携わる会員によって構成される国際的な業界団体です。消費者の利便性が高まるよ う、業界の世界標準を策定することに加え、公正なビジネス環境を確保するためのさまざまな取り組みや、カメラ映像機器のワールドプレミアショーの開催などを通じて、会員の発展に寄与することを目指しています。
とのこと。会員として日本のメーカーを中心に海外のメーカーも参加しています。
CIPA統計
統計に参加しているのは日本のメーカーのみですが世界のデジタルカメラのほとんどが日本製ですので世界レベルのデジタルカメラ関連の統計となっています。生産および出荷時点での台数、金額を発表しています。
注目してみてるのは
デジタルカメラはそのマーケットがiPhoneなどスマートフォンの拡大とともに微妙な局面に立っているのと合わせて、レンズ交換式カメラの変化としてミラーレス機へのシフトが起きており、写真をテーマに活動しているととても気になる状況であるからです。
主にレンズ交換式デジタルカメラの出荷台数、出荷金額を見ていくことにしました。
2018年10月実績
2017年と比較しながら月別の推移を出荷台数、出荷金額をグラフ化しました。「ノンレフレックス」というのが主にミラーレスデジタルカメラになります。
台数
- 7月以降一眼レフが前年数字を維持できなくなっている
- Nikon Zのティーザーが7/23スタート、Canon EOS R発表が9/5。一眼レフの買い控え発生か
- ミラーレスは一眼レフを補完できていない
金額
- 4月、9月、10月とミラーレスの高級機が売れた模様
- 4月はSony α7iii、9月はNikon Z 7、10月はCanon EOS Rの発売の影響と思われる
- 9月は一眼レフとミラーレスの出荷金額が逆転したターニングポイントとなった
- 10月はミラーレスの金額が前年の一眼レフの金額へ達したターニングポイントとなった
台数は厳しいが高級ミラーレスが伸びている。各社がフルサイズミラーレスへと参入した理由であり、そして結果が出ているのが見てとれる。
11月、12月は国内はボーナスシーズンで伸びるが1桁違う国外マーケットは閑散期に向かうようで昨年は全体としては沈んでいる。今年は新機種の影響がどう出るか。
マーケット
レンズ交換式デジタルカメラ全体のマーケットを見るために1月からの累積を見てみる。
10月時点の昨年比で金額は99%、台数は93%。マーケットサイズに変化は無く高級化が進行している。各メーカーのパイの奪い合い。どこかが伸びていれば他が喰われている。よく3メーカーしかこの業界に生き残れないといわれるが果たして。
まとめ
マーケット自体が伸びないのは寂しいですね。ユニークな商品を展開する海外勢が統計には入っていませんが日本のカメラ事業が厳しいのは見て取れます。
しばらく数字を追い続けてみたいと思います。